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「防水工事を考えていたのに、材料が値上がりしているらしい」「今は待ったほうがいいのか、それとも急いだほうがいいのか」。2026年に入ってから、こうした不安の声がとても増えています。中東情勢を背景にしたナフサ(石油由来原料)の高騰で、塗料・防水材・断熱材・シーリング材といった住宅工事の材料が、報道ベースで広範に値上げ・供給制約となっているためです。
この記事では、築34年の中古RC3階建てをリノベして約10年暮らしてきた筆者の視点も交えながら、「今、防水・塗装の材料に何が起きているのか」「工事への影響」「待つことのリスク」「今できる現実的な対策」を、できるだけ事実ベースで整理します。煽るためではなく、あなたが落ち着いて判断するための材料をそろえることが目的です。なお本文中の値上げ幅や時期は各種報道・メーカー公表時点の情報であり、最新の状況は施工会社やメーカーへご確認ください。とくに「材料の品薄や出荷制限がいつまで続くのか」が気になる方は、防水材料不足はいつまで?2026年ウレタン防水の出荷制限・工期遅延と今やるべき対策もあわせてご覧ください。
2026年、防水・塗装の材料に何が起きているのか
きっかけは中東情勢の緊迫です。原油・ナフサの供給不安から価格が急騰し、ナフサを原料とする塗料・シンナー・防水材・シーリング材・断熱材などの石油化学系建材が、連鎖的に値上げ・供給制約となりました。日本経済新聞も、建設資材の価格改定が防水材・塗料など多数の品目に及び、受注制約や納期遅延が広がっていると報じています。
報道やメーカー公表によると、値上げの実例は次のような規模です(いずれも報道・各社公表時点の情報で、対象製品や発注時期によって異なります)。
- 塗料本体:おおむね10〜30%程度の値上げ(メーカーにより幅あり)
- シンナー(希釈剤):最大で70〜75%という大幅な値上げの報道(日本ペイントはシンナー製品で75%の価格改定を公表)
- 防水材:20%前後の上昇との報道(アスファルト防水材で約40%値上げの動きも)
- シーリング材:値上げに加え、主要メーカーで出荷停止・調整の動き
- 断熱材:5月から約40%の値上げが報じられ、一部で出荷制限
- 屋根材:受注停止・出荷調整の動きや、近い時期の値上げ観測
ポイントは、これが一社・一品目だけの話ではなく、複数メーカー・複数品目で同時に起きている点です。値上げ率はあくまで報道時点・公表時点の数字で、今後落ち着く可能性も、長期化する可能性もあります。報道では「長期化が懸念される」という見方が紹介されており、現時点で「いつ元に戻る」と断定できる材料はありません。
防水工事への具体的な影響
材料の値上げと供給制約は、防水工事の現場に三つの形で表れています。順番に見ていきましょう。
1. 材料価格の上昇(ウレタン防水・シート防水)
防水工事の主役であるウレタン防水材やシート防水材も、ナフサ由来の原料を使うため値上げの影響を受けています。報道では防水材は20%前後の上昇、アスファルト系では約40%値上げの動きも伝えられています。材料費は工事費の一部とはいえ、面積の大きいベランダ・屋上・バルコニーの防水では、総額への影響が無視できないレベルになってきています。
2. 納期遅延・受注停止のリスク
価格以上に厄介なのが、モノが手に入りにくくなっていることです。田島ルーフィングがウレタン防水材「オルタック」などで一時受注停止になったと報じられるなど、「お金を払っても材料がすぐ届かない」状況が起こり得ます。受注停止や出荷調整があると、見積もりは取れても着工が先延ばしになる、希望の工法・製品が選べない、といった形で工事計画に影響します。
3. 工事費全体への波及
塗料・シーリング・断熱材まで同時に上がっているため、外壁塗装と防水をまとめて行う大規模修繕では、材料費の上昇が積み重なります。報道では、規模によって100万〜200万円ほど総額が上振れする試算が紹介されるケースもあります。これはあくまで一例で、建物の規模・工法・仕様によって大きく変わりますが、「以前の相場感のままでは見積もりが合わない」可能性は意識しておきたいところです。
結論:雨漏り・劣化があるなら「待つ」のは危険
ここまで読むと「じゃあ値上げが落ち着くまで待とう」と考えたくなるかもしれません。でも、すでに雨漏りや防水層の劣化のサインが出ている場合、値上げを理由に放置するのはかえってリスクが高いと考えています。
理由はシンプルで、防水の不具合を放っておくと、水が躯体(コンクリートや下地)にまわり、劣化が防水層だけでは止まらなくなるからです。特にRC(鉄筋コンクリート)では、水が鉄筋に達すると鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートを内側から押し割る「爆裂」が起きることがあります。こうなると、もう防水の塗り直しだけでは済まず、躯体修繕という大がかりな工事が必要になり、工事費が逆に膨らんでしまいます。材料の値上げ分を待って節約したつもりが、劣化の進行でそれ以上の出費を招くというのは、最も避けたいパターンです。
筆者は中古RC3階建てを3階フロアをフルリノベして約10年住んできましたが、RCの防水は「大丈夫そう」と思って先送りにした部分ほど、後で余計に手がかかると実感しています。小さなひび割れや防水層の浮きのうちに手を打てば表面の補修で済んだのに、「もう少し様子を見よう」としているうちに雨水が回り込み、結局はより広い範囲をやることになったというのが、古いRCに住んできた実感です。だからこそ、「今劣化があるかどうか」を先に知ることが大切だと考えています。
今できる現実的な対策3つ
「慌てて今すぐ契約」でも「何もせずに放置」でもなく、今の状況だからこそ取りたい現実的な対策は次の3つです。
対策① 価格改定前に見積もりを取って金額を固定する
値上げは各社順次発表されています。つまり、「改定前に出された見積もり」は、その金額がそのまま有効になるケースがあります(有効期限は業者・見積条件によるので要確認)。工事をいずれやる可能性があるなら、検討中の今のうちに見積もりを取得して金額感を掴んでおくだけでも、判断の精度は上がります。
対策② 複数社で相見積もりし、高騰分の転嫁度合いを比べる
同じ工事でも、材料高騰をどれだけ価格に転嫁しているかは業者によって差が出ます。複数社から相見積を取ると、金額だけでなく「なぜその価格なのか」の説明の丁寧さも見えてきます。一社だけだと「この値上がりは妥当なのか」が判断しにくいため、材料が動いている今こそ、相見積もりの価値が高い局面です。
相見積もりは「自分で何社も探して連絡する」のが大変ですが、防水・外壁の優良業者を比較できる紹介サービスを使えば、条件を伝えるだけで複数社の見積もりを取り寄せて比べられます。値上げ局面では一社の言い値で決めず、転嫁度合いを横並びで確認しておくと安心です。気になる方は、こうした一括見積もり・比較サービスから始めてみるのがおすすめです。
対策③ 劣化診断だけ先に受けて、緊急度を把握する
「今やるべきか、待つべきか」を本当の意味で判断するには、まず「自分の家の防水が今どういう状態か」を知る必要があります。劣化がほとんど進んでいなければ、値上げの動向を見ながらタイミングを選ぶ余裕がありますし、逆に雨漏りや爆裂のサインがあるなら、値上げよりも劣化の進行を優先して動いたほうがいい、と判断できます。築年数別の劣化サインや工事の目安は、外壁塗装・防水工事はいつやるべき?劣化のサインと最適なタイミングを解説【見逃し厳禁】もあわせて確認すると判断しやすくなります。
いきなり工事を決める必要はありません。まずは無料の雨漏り調査・劣化診断から始めるのが、一番ハードルが低く、それでいて判断材料が手に入る方法です。雨漏り調査や防水の無料診断に対応しているサービスなら、電話やフォームで相談して現状を見てもらうところから始められます。「緊急度が高いのか、しばらく様子を見てもいいのか」をプロに見てもらうだけでも、値上げの不安と劣化の不安を切り分けて考えられるようになります。まずは無料相談・診断で、自分の家の「今」を確かめてみてください。
よくある質問(FAQ)
値上がりはいつまで続く?
現時点で「いつまで」と断定できる材料はありません。ナフサ価格は中東情勢など国際情勢の影響を受けやすく、報道では「長期化が懸念される」という見方も紹介されています。落ち着く可能性も、長引く可能性もあるため、「下がるのを待つ」前提で計画を組むのはリスクがある、というのが現状です。
工事を予約済みの場合、追加請求される?
これは契約内容によります。金額が確定している契約か、材料費の変動を反映できる条項があるかで扱いが変わります。予約済み・検討中の方は、見積もり書や契約書に「材料価格変動時の取り扱い」がどう記載されているかを、施工会社に確認しておくと安心です。
DIYで応急処置はあり?
市販の防水テープや補修材で一時的に雨水の侵入を押さえる「応急処置」は可能な場合もありますが、あくまで一時しのぎです。特にRCの防水や高所・勾配のある屋上は危険を伴い、原因を誤ると劣化を隠して悪化させることもあります。応急処置でしのいだとしても、早めにプロの診断を受けることをおすすめします。
相見積もりは何社くらい取ればいい?
目安は3社前後です。1社だけだと提示された金額や工法が適正かどうか判断しづらく、多すぎても比較や対応が大変になります。3社ほどに絞ると、価格帯の相場観がつかめるうえ、提案内容や担当者の対応も比べやすくなります。とくに材料価格が動いている時期は、業者ごとに仕入れ状況や見積もりの前提が異なるため、同じ条件で揃えて比較することが大切です。
火災保険は防水工事に使える?
台風や強風、雹(ひょう)など「自然災害が原因」の破損であれば、火災保険の対象になる場合があります。一方で、経年劣化による雨漏りや防水層の寿命は対象外となるのが一般的です。被害の原因や契約内容によって判断が分かれるため、まずは加入している保険の補償範囲を確認し、必要に応じて保険会社や施工会社に相談してみてください。なお「保険で必ず無料になる」とうたう業者には注意が必要です。
まとめ
2026年は、中東情勢を背景にしたナフサ高騰で、塗料・防水材・シーリング・断熱材などが広範に値上げ・供給制約となっていると報じられています。値上げ幅や時期は報道・メーカー公表時点の情報であり、今後は状況が変わる可能性があります。
大切なのは、「今すぐやらないと損」と慌てることでも、「値上がりが高いからと放置すること」でもありません。すでに雨漏りや劣化のサインがあるなら、放置は躯体劣化を招いてかえって高くつく可能性があるため、早めに動いたほうが安心です。一方で、劣化が進んでいなければ、見積もりを取って金額を固定しつつタイミングを考える余裕もあります。
そのための第一歩が、①価格改定前の見積もり取得、②複数社での相見積もり、③無料の劣化診断で緊急度を把握することです。とくに「自分の家の今」を知る診断は、無料でハードルが低く、値上げの不安と劣化の不安を切り分けるための一番の近道です。もやもやと悩むより、まずは現状を掴むところから始めてみてください。

